serial experiments lain を観た


動機

先週、一連のキルミーベイベー騒動で、AmazonビデオのDL済みコンテンツすらリモートで削除されたという話を聞いた。

デジタルメディアの購入者は作品を所有することができず、ただ観る権利を与えられているだけであり、その権利はいつ剥奪されてもおかしくない。そういうことを改めて再認識すると、いま手元に所有していない作品はいつの日か突然触れることができなくなってもおかしくない、という焦燥が浮かんできた。

なので、せっかくの祝日だから、今まで観たいと思っていたけど観れていなかった作品を観ようと思い、ずっと観たいと思っていた serial experiments lainを観た。

https://youtu.be/Bb1bXNI4mUQ(バンダイチャンネルで公開されている無料の1話目)

購入

バンダイチャンネルで全話パックを購入し、その日のうちに全部観た。

感想は、最高だった。

現実とワイヤードの区別がつかなくなるタイプのSFだという予備知識はあったので、その設定の時点で絶対に外れないとは思っていたけれど、最高に良い。

以下ネタバレ

映像

作品の時代設定はいつなのかわからないけど、高度にネットワーク化された世界観と、スマホ(っぽいもの)を使ってどこからでもアクセスできるという現代に近い未来を、1998年の時点でよく見通していたな、と感心する。

映像も良い。攻殻機動隊から影響を受けているのか、それとも90年台のアニメ制作技術が全体的にそうなのかは知らないけど、白飛びするほど強烈に光を強調した画面や、異様に暗い画面が多くて、サスペンスやホラーの雰囲気を匂わせる世界観とよくあっている。しつこすぎるほどに何度も繰り返される映像や、電柱や電線が暗喩するネットワーク、ワイヤードのイメージが強烈に頭に残っている。

あと、これも攻殻機動隊っぽいなと思ったのは、やたらと窓を強調する。真っ暗な部屋に、明るすぎるほどの光が窓からだけ入り込む構図が多くて、自室で目覚めた少佐の姿が頭の片隅にずっと浮かんでいた。

おそらく、作画の都合等の面も大きいのだろうけど、人物の顔がアップで長時間カメラが回されるシーンが多くて、それもまたサスペンス的怖さを観ている側に打ち込んでくる。背景もかなり簡素化されている場面が多くて、奇怪な印象が更にストーリーを不気味に感じさせられ、予算の都合をここまでうまく演出として使い切る、ものすごく良く出来ていると思った。

ストーリー

どこにでも偏在する私、誰かの記憶の中で生まれて、それが現実に受肉する、という根底の設定が最高に良い。

個人を個人たらしめるものは、ただ記憶だけであるっていうテーマが大好きで、それを巧みに宇宙人とかドラッグとかの話でミスリードさせながら、最後はきちんと後味悪く完結するというスタイルにとても満足した。

イノセンスの5年も前に、全く同じとまではいかずともかなりの部分で共通している、しかもよく出来ているアニメがあるとは思わなかった。

そこそこ説得力があるけどオカルトな学説とかを多用して、いかにもな雰囲気をつくり上げるところも、気分が高揚してくるくらい楽しい。

そういえば、もっと押井守的攻殻の世界の影響を受けた作品だと思ってたけど、なんか意外とAKIRAっぽかった。

あと、制作スタッフがものすごいパソコンオタクだというのが伝わってくる。多分、このアニメをもっと早く見ていたら、もう少し早く自分はエンジニアを目指そうとしていたと思う。それくらい、コンピュータ愛が伝わってくる作品で、もっと昔に観れなかったことを、今更ながらかなり後悔した。

あと玲音かわいい。アリスも可愛い。玲音かわいいよ玲音。

疑問

玲音の部屋おかしいでしょ、なにがどうなったらああなるんだ

視聴して

良かった。最高。また近いうちにもう一回観直したい。

本当にこれは、円盤が欲しいけど、残念ながらプレミア価格。画集も欲しいけど、こっちももう売ってない。悲しい。課金したい。


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